試す人になろう 野中郁次郎氏

一橋大学名誉教授 野中郁次郎氏 今の時代に求められるリーダーとは

http://www.globis.jp/1917-3

最後に申しあげたいのですが、実は震災前に栃木にあるホンダの研究所を訪問し、いろいろと議論をしてきました。そこで研究所の50周年記念でしたか若手のプロジェクトメンバーがホンダ研究所のあり方なようなものをまとめたビデオを見て非常に感動しました。かつて本田宗一郎が通っていた小学校の石碑には、「試す人になろう」という言葉が刻まれているのです。ビデオでは「もう一度ホンダの原点とは何か、そして我々はなんのために存在するのかを見つめ直そう」ということで、「試す人になろう」という本田宗一郎のその言葉が語られていました。人生は見たり、聞いたり、試したりという3つの知恵でまとまっているが、多くの人は見たり聞いたりばかりで一番重要な“試したり”をほとんどしない。ありふれたことだが失敗と成功は裏腹になっている。みんな失敗を恐れるから成功のチャンスも少ないと。だから‘Be Someone Who Tries’となる。「やってみようじゃないか」ということです。徹底的に考えてもわからないことはあります。しかしだからこそ共通善に向かって一歩一歩無限に、実践を通じて真・善・美に近づく以外方法はないということです。経営にマジックはありません。しかしながら「共通善に向かって何をやりたいんだ」、そして「それを実現する手段は一体なんなんだ」と考えてみれば、結論はアクションになります。とにかくやってみる。それを無限に続けていく以外に方法はないのではないか、というのが彼らの結論でした。

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