アントニオ猪木「道」

私は今、感動と感激、そして素晴らしい空間の中に立っています。

心の奥底から湧き上がる、皆さまに対する感謝と熱い想いを止めることが出来ません。

カウントダウンが始まってから、かなりの時間が経ちました。

いよいよ今日が、このガウンの姿が最後となります。

思えば、右も左もわからない一人の青年が力道山の手によって、ブラジルから連れ戻されました。

それから、38年の月日が流れてしまいました。

最初にこのリングに立った時は、興奮と緊張で胸が張り裂けんばかりでしたが、今日はこのような大勢の皆さまの前で最後のご挨拶が出来るということは本当に熱い思いで言葉になりません。

私は色紙にいつの日か『闘魂』という文字を書くようになりました。それを称してある人が『燃える闘魂』と名付けてくれました。

闘魂とは己に打ち勝つこと。

そして、闘いを通じて己の魂を磨いていくことだと思います。

最後に、私から皆さん…皆さまにメッセージを贈りたいと思います。

人は歩みを止めた時に、そして挑戦を諦めた時に年老いていくのだと思います。

この道をゆけばどうなるものか、危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし、踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる。迷わず行けよ 行けばわかるさ。

ありがとうーーーー!

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